【映画『信虎』完成披露報告会(上映前) 詳細】
<日 程> 11月1日(月)
<場 所> スペースFS汐留(東京都港区東新橋1-1-16汐留FSビル3F)
<登壇者> 主演・寺田農、共演:永島敏行、伊藤洋三郎、左伴彩佳(AKB48)
監督・金子修介、共同監督・宮下玄覇
<時間> 18:30 完成披露報告会 スタート
18:55 最後の挨拶 金子監督→寺田
18:57 フォトセッション
19:00 舞台挨拶 終了
【オフィシャルレポート】
映画「信虎」完成披露報告会が1日、東京・スペースFS汐留で行われ、主演の寺田農、共演の永島敏行、伊藤洋三郎、左伴彩佳(AKB48)、共同監督の宮下玄覇氏、メガホンをとった金子修介監督が登壇した。
戦国の名将・武田信玄の父であり、甲府を開府した信虎の晩年を描いた本作。信玄によって甲斐を追放され、駿河を経て京に住み、足利将軍の奉行衆となった信虎は、追放より30年の時が流れた元亀4年(1573年)、信玄が危篤に陥ったことを知り、再び武田家にて復権するため甲斐への帰国を試みるも、信濃において武田勝頼とその寵臣によって阻まれる。信虎は、信長との決戦にはやる勝頼の暴走を止められるのか。齢80の「虎」が、武田家存続のため最後の知略を巡らせる――。
信虎役を演じる寺田は、本作で36年ぶりの主演を務めた感想を求められると「撮影が一昨年の77歳、喜寿ということで、みんなにお祝いしてもらったりして、そのときにこのお話をいただいたので、長生きはしてみるもんだなと嬉しく思いました」と笑顔で話し、とある歴史の先生から“小学生から大学生まで100人に『忠臣蔵を知っているか』と質問したところ80%が『知らない』と答えた”という話を聞いたそうで「そういう時代で時代劇。しかも戦国時代というとてもややこしいものを映画にする。これは大変なことなんですよ。なので、途中よくわからないかもしれない。一生懸命、聞き耳を立てて、集中して見ないとなかなかついてはいけませんので、遅れないようにしてください」と珍アピールをして笑いを誘った。
武田信玄と武田逍遥軒の2役を演じる永島は、2役を演じての感想を聞かれると「信玄は短かったので助かりましたが、逍遥軒は台本をいただいてからいろんな本を読んで初めて知ったんですけど、ちょっと気弱で平和を愛する男で、戦国時代には物足りないなというところがありました」と答え、「僕はこの映画を見て、今の日本に信虎がいてくれたらと思ったんですよ。狭い世界しか見ていない政治家の人たち。信虎は外の世界を見てきて、あの時代には早すぎた男と思いましたね。ぜひ今の時代に信虎がほしいなとつくづく思いました」と皮肉交じりにコメント。これに寺田は「今度、国会議事堂で特別試写会をやりましょう。議員の先生方にご覧いただきたいものですね」と賛同していた。
加えて、特殊メイクについて永島は「僕は剃髪(の特殊メイク)なんですが、その時間があるとだんだんと役に入っていけたので、それは非常に好きでしたね」と話すと、寺田は「僕もそれを勧められて3Dで撮ったりもしたんだけど、(特殊メイクに)1時間半かかる。毎日4時半に特殊メイクを始めないといけない。それを1ヶ月やったら絶対に発狂しそうになるよと言われたので、私は(髪の毛を)剃りました」と裏話を披露。続けて寺田は「髪の毛って大事なのね。剃った瞬間、寒いんだもん(笑)」と吐露して茶目っ気たっぷりに笑った。
山梨県出身で信虎の娘・お弌役を演じる左伴は、今回の出演は自身にとってどんな経験になったか尋ねられると「お歯黒メイクというのが初めてで、最近の時代劇もお歯黒メイクはあまり見ないので、今回そういう貴重なメイクと、高貴な着物を着て演じることができて、すごく光栄だなと思いました」と目を輝かせ、高貴な着物を着ての感想を追求されると「みなさんでお昼休憩があったんですけど、そのときにこぼして汚したら大変だと思って、一応タオルとかもするんですけど、怖いと思って撮影の日はご飯が全然食べられませんでした。“この着物を汚したら…”と思って、ご飯は全く食べてなかったです」と告白し。
10月22日より地元の山梨県で先行公開されているが、周囲の反響を聞かれると「父と母とおじいちゃんとおばあちゃんが先行公開の日に見にきてくれました。『今まで見たことのないリアルさがすごく出ていて、戦国時代の中に入ったようなリアルさが出ていて、本当に素晴らしかった』っておじいちゃんが褒めてくれて、そんな映画に孫の私が出られたことが嬉しかったみたいです」と声を弾ませた。
駿河召し抱えの家老・清水式部丞役を演じる伊藤は、共演した猿の印象を聞かれると「実はトラウマがあって、若いときに猿に襲われたことがあったので会う前に緊張していたんですけど、“こころちゃん”というとてもいいお猿さんで、撮影はすごく楽しかったんです」と笑顔を見せ、「スムーズに撮影するために女性のトレーナーが3名ついていたんですけど、こころちゃんがじっとしていないので、テストで寺田さんと僕がセリフを言っているときに『ダメ!こころ動かない!』って、僕らのセリフより大きいんですよね(笑)。寺田さんがセリフを言っているときに『よし!よし!よし!』って言うので、寺田さんがセリフを褒められているみたいでした(笑)。現場では『よし!よし!よし!』が流行語大賞で、2年経った今でも忘れられません」とエピソードを明かして会場を沸かせた。
これに寺田は「そのとき初めて猿と共演しました。犬とか猫は山のようにあるけど、猿っていうのは難しいのね。それで伊藤さんが言った通り『よーく出来た!よしよし!』って言うもんだから、『俺の芝居が終わったら、それをぜひ俺たちに言ってくれ』って先生に言ったんですが、やってくれましたよ!」と嬉しそうに話した。
また、こだわった点を尋ねられた金子監督は「ポイントはおじいさんと孫との戦いというところかなと思いました」といい、「信虎は信虎史上最強の寺田さんですけど、勝頼も『影武者』ではショーケン(萩原健一さん)がやっていましたが、今回、荒井敦史くんにやってもらって、勝頼史上でも最強ではないかと思います。おじいさんと孫との戦いというところにポイントを置き、一歩外に出ると殺し合いだけど、その世界の中のファミリードラマというところを描きました」と説明。さらに、セットや美術にもこだわったという宮下氏は「鎧兜や旗を『甲陽軍鑑』をもとに再現しまして、武田信玄の晩年の“天上天下唯我独尊”の旗を再現したりしました。すごく満足しています」と胸を張った。
そして、最後に寺田は「信虎、信玄、勝頼の親子孫3代にわたってなし得なかった全国制覇を、この映画がヒットすることによって、ぜひ武田家の野望を果たしたいと思っています。みなさんご宣伝のほど、よろしくお願いいたします」とお願いした。
映画「信虎」はTOHOシネマズ甲府にて先行公開中。11月12日(金)よりTOHOシネマズ日本橋、TOHOシネマズ梅田ほかにて全国公開。
<あらすじ>
武田信虎入道(寺田 農)は息子・信玄(永島敏行)に甲斐国を追放された後、駿河を経て京で足利将軍に仕えていた。元亀4年(1573)、すでに80歳になっていた信虎は、信玄の上洛を心待ちにしていたが、武田軍が国に兵を引き、信玄が危篤に陥っていることを知る。武田家での復権の好機と考えた信虎は、家老の土屋伝助(隆 大介)と清水式部丞(伊藤洋三郎)、末娘のお直(谷村美月)、側近の黒川新助(矢野聖人)、海賊衆、透破(忍者)、愛猿・勿来(なこそ)などを伴い、祖国・甲斐への帰国を目指す。途中、織田方に行く手を阻まれるも、やっとの思いで信濃高遠城にたどり着いた信虎は、六男・武田逍遥軒(永島敏行・二役)に甲斐入国を拒まれる。信玄が他界し、勝頼が当主の座についたことを聞かされた信虎は、勝頼(荒井敦史)との面会を切望する。
そして3カ月後、ついに勝頼が高遠城に姿を現す。勝頼をはじめ、信虎の子・逍遥軒と一条信龍(杉浦太陽)、勝頼の取次役・跡部勝資(安藤一夫)と長坂釣閑斎(堀内正美)、信玄が育てた宿老たち、山県昌景(葛山信吾)・馬場信春(永倉大輔)・内藤昌秀(井田國彦)・春日弾正(川野太郎)が一堂に会することになる。信虎は居並ぶ宿老たちに、自分が国主に返り咲くことが武田家を存続させる道であることを説くが、織田との決戦にはやる勝頼と、跡部・長坂ら寵臣に却下される。
自らの無力さを思い知らされた信虎は、かつて信直(石垣佑磨)と名乗っていた頃に、身延山久遠寺の日伝上人(螢 雪次朗)から言われたことを思い出す。そして武田家を存続させることが自分の使命であると悟り、そのためにあらゆる手を尽くすのであった。上野(こうずけ)で武田攻めの最中だった上杉謙信(榎木孝明)が矛先を変えたのは、信虎からの書状に目を通したからであった。
お家存続のために最後の力を振り絞った信虎だったが、ついに寿命が尽き、娘のお直とお弌(左伴彩佳 AKB48)や旧臣・孕石源右衛門尉 (剛たつひと)たちに看取られて息を引き取る。
その後、勝頼の失政が続き、天正10年(1582)、織田信長(渡辺裕之)による武田攻めによって一門の木曽義昌ほか穴山信君(橋本一郎)が謀叛を起こし、勝頼は討死、妻の北の方(西川可奈子)も殉じ、武田家は滅亡する。以前、武田家臣・安左衛門尉(嘉門タツオ)が受けた神託が現実のものとなった。
信虎がこの世を去ってから百数十年後の元禄14年(1701)、甲斐武田家の一族で、五代将軍徳川綱吉の側用人・柳澤保明(後の吉保、柏原収史)は、四男坊・横手伊織(鳥越壮真)に、祖父と関係があった信虎の晩年の活躍を語る。この物語は、果たしてどのような結末を迎えるのだろうか――。
寺田 農/谷村美月・矢野聖人・荒井敦史/榎木孝明・永島敏行・渡辺裕之/隆 大介・石垣佑磨・杉浦太陽・葛山信吾・嘉門タツオ/左伴彩佳(AKB48)・柏原収史
伊藤洋三郎・川野太郎・螢 雪次朗・安藤一夫・堀内正美・永倉大輔・井田國彦・橋本一郎・剛たつひと・西川可奈子・鳥越壮真/北岡龍貴・外波山文明・水島涼太・大八木凱斗・井藤 瞬・森本のぶ・奥山眞佐子・小堀正博
監督:金子修介 共同監督・脚本:宮下玄覇 音楽:池辺晋一郎
製作総指揮・企画・プロデューサー:宮下玄覇 プロデューサー:西田宣善 協力プロデューサー:榎 望
撮影:上野彰吾 照明:赤津淳一 録音:原川慎平 美術・装飾:宮下玄覇・籠尾和人 VFXスーパーバイザー:オダイッセイ 衣裳:宮本まさ江 特殊メイク スーパーバイザー:江川悦子 編集:宮下玄覇・山本浩史 整音・ダビング:臼井 勝 音響効果:丹 雄二 武田家考証/字幕・ナレーション協力:平山 優 プロダクション統括:芳川 透
カラーグレーディング 広瀬亮一 スクリプター:奥井富美子 時代考証・キャスティング:宮下玄覇 演技事務:出射 均・早川喜貴・関根浩一 スチール:制野善彦 題字:森田彦七(『乱』揮毫・今井凌雪門下) 製作担当:丹羽邦夫・安達 守 助監督:村上秀晃 西山太郎 美術装飾担当 助監督:生駒 誠
製作:ミヤオビピクチャーズ
2021年/日本/日本語/カラー/ワイド/ステレオ/135分/
配給:彩プロ PG-12 ©2021ミヤオビピクチャーズ
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