1月に会場/通販リリース作品第一弾として発売した「BERSERKER/GUILTY」に続き、3月21日に下北沢 ReGを舞台に行うMIKIKOの生誕祭イベント『My faith…』より、第二弾作品「Chronicle/DEAD OR ALIVE」の会場/通販による販売がスタートする。今年に入り、立て続けに作品をリリースしているAKARAだが、どれも2年前には完成していた作品だと言う。その理由を探ったところ、コロナ禍に翻弄されたAKARAの姿が浮き上がってきた。少し長くなるが、リリースに際してのメンバーの言葉に目を通してもらいたい。
MIKIKO 1月に行ったTommyの生誕祭ライブより、会場/通販リリース作品第一弾として「BERSERKER/GUILTY」を発売。3月21日に下北沢 ReGを舞台に行うわたしの生誕祭イベント『My faith…』から、第二弾作品「Chronicle/DEAD OR ALIVE」を販売します。この2作品に収録した楽曲たちは、すでに2年前には生まれていた曲たちでした。
当初は、2年前に1枚のアルバムとしてまとめあげ、それを手にジャーデビューを行うはずでした。そのために、2020年2月に行ったわたしの生誕祭のときに「アルバムを発売する形で、メジャーデビューが決まりました」とみなさんの前で嬉しい発表をし、近いうちに告知するデビュー日に向け、4月以降からはリリースに伴う様々なインストアイベントを組み立てていました。だけど、それがすべて中止せざるを得なくなりました。理由は,コロナによる影響からです。
4月に発令された緊急事態宣言により、すべてのインストアイベントがなくなり、デビューへの道筋も一度白紙へ戻すことになりました。しかも、重なるときは重なるもので、私たちをメジャーへ引き上げてくださった方が、コロナ禍によってレコード会社を退社することになりました。
あの時期は、他のアーティストさんもそうでしたが、予定していたライブスケジュールがことごとく延期や中止になり、表立って活動していくのもままならない状況へ陥りました。たとえリリースは難しくとも、バンドの歩みは止めてなるものかと、AKARAも表だったライブ活動ができないぶん、無観客でのライブ配信やYouTubeを通して歩み続ける姿を見せ続けてきました。
AKARAとしては、とにかく歩みを止めたくはなかったんです。その後、いろいろと制限された環境でしたが、ライブハウスも少しずつ動き始め、それに伴い、いろんなバンドさんたちが模索しながらもライブ活動を再開し始めました。もちろんAKARAも、限られた人数しか集客できない環境の中や、いつ、ふたたび中止や延期になるのかわからない不安を抱える中でライブ活動を再開しました。
当時は、安定的な活動が見込めないことや、動くだけ(金銭的な)負担が増すことから「やめる」という選択肢を選ぶ人たちも相応にいました。私たちもあの時期は、楽器を手に電車移動しているだけで白い目で見られるような環境だったこと。動けば動くほど負担が増えるという当時のライブ環境もあり、精神的に追い詰められてしまっていた時期も、正直ありました。ましてAKARAの場合、デビューの話を一度白紙に戻し、これからどうするかと先行きが見えない状況下にもありました。
TAKA 正直、「辞める」という選択肢を選ぶことが、目の前へ次々と降りかかる難題を遠ざけるうえで一番楽な選択肢なのはわかっていました。そのときに「もう辞めよう」と言って難題を退け、二度と音楽活動を行わないのなら、その選択肢もあるのは納得ですけど。たとえコロナ禍は過ぎても、コロナ自体はなくならない今の世の中に於いて、ふたたび音楽活動を始めるのは、コロナ禍前と較べたらそうとう大変なこと。
今もそうですが、いくらライブハウスは安全だからと言っても、会社や学校から「行ってはいけない」と言われてる人たちやライブに足を運ぶことへ二の足を踏んでいる人たちがたくさんいる。今、ライブハウスを支えてくれている音楽ファンたちだって、好きなバンドが頑張っていれば応援しますけど。そのバンドやアーティストが活動を止めたら、音楽という心の支えを他の趣味に向けてしまうのも当然だと思います。もちろん、過去に応援していたバンドやアーティストが復活したり、形を変えて活動を再開したら、ふたたび支持してくれる人たちもいるとは思います。でも、大半の方々は、自分が目の前で心許し、夢中になっている事を支持してゆくのは当然のこと。今の環境の中、改めて1から作り上げていく大変さもわかっているからこそ、僕らは安易に投げだしたくはなかった。
もちろん、それだけじゃないです。せっかくデビューをするために作り上げた音楽の魂(曲)たちがあるのに、それを世の中へ届けずに終えるなんてことは絶対にしたくなかった。だからこそ、それが何時になるのかはわからなかったけど、AKARAとして生きることを僕らは辞めたくなかった。それがメンバー全員の総意だったからこそ、今も、こうして走り続けているわけです。
MIKIKO 自分たちの魂を注ぎ込んだ音源を見捨てる選択肢は、私たちにはありませんでした。だからこそ、時間がかかってでもAKARAを信じてくれる人たちの元へ届けたくて環境を整えてきたし、歳月を擁したとはいえ、ようやく今のリリースの形にまで進むことができたわけなんです。
Tommy 1月にリリースしたシングルに収録した「GUILTY」というインスト曲は、2年前に行うはずだったTAKAの生誕祭で披露する予定でした。でも、その生誕祭自体が、2020年2021年と2年連続でコロナ禍により中止になり、完成しながらもずっとお披露目をする機会を失っていました。だからこそ、わたしの生誕祭を通してですが、ようやくみなさんの前で「GUILTY」をお披露目し、作品としてリリースできたことはもう言葉では言い尽くしがたいほどの想いがありました。
MIKIKO 今は、2年前。下手すれば3年前には作りあげていた曲たちを少しずつ作品としてリリースできるようになりましたけど。あの頃の曲を歌うたびに、いろんな思い出がそこへ重なりだすし、そうなるのも仕方のないことだと思います。
まして、今回の作品のタイトルが、"歴史・物語を刻む"という意味を持つ「Chronicle」。当時は、デビューという大きな節目を迎えるにあたって、それまでのAKARAとしての歩みを振り返りながら、そこへ死ぬことないヴァンパイアの生き長らえてゆく姿や、好きな人さえ首筋を噛むことで同じ宿命に巻き込んでしまうかも知れないという、ファンタジックな要素も加味したうえで書きました。「DEAD OR ALIVE」も、誰だって生きるか死ぬかくらいの覚悟を背負った経験があるだろうという思いで書いた歌でした。
だけど、コロナ禍以降の経験によって、そこへ思っていたのとは異なる新たな解釈が加わった。そうやって意味を膨らませた歌を届けることが、どんな状況下に置かれようと歌うことを止めない信念こそが今のAKARAを突き動かす力になっています。3月21日に下北沢 ReGで行うわたしの生誕祭イベントのタイトルへ『My faith…』 と名付けたのも、「My faith=信念」という意味を示すため。その信念を示した「Chronicle/DEAD OR ALIVE」だからこそ、この作品を、この日に届けたかったんです。
強い信念を元に作りあげた作品をすべて世の中へ届けようと、今、AKARAは精力的に活動を行なっている。今後はサブスクでの配信も予定しているが、いち早くAKARAの意思を手元で感じたい方は、イベントへ足を運ぶなり、通販を通して手にしてもらいたい。
MIKIKO 今年は、愛沢絢夏チームと一緒に仙台・郡山・東京を舞台に定期開催中のイベント「AKARZAWA」を筆頭に、いろんなイベントへも積極的に出演すれば、ワンマン公演も行いたいなと思っています。もちろんリリース活動も、まだ手元に楽曲はあるように第三弾第四弾と続けていく気持ちでいます。今は会場限定と通販のみという形だけに、ライブに足を運ぶのは難しいけど…という方々のために、そんな遠いない時期にはサブスクを通して新作たちを届けようとも準備しています。
今年は、ライブに、リリースにと、信念を持って積極的に攻めていきます。ぜひ、これからの展開も楽しみにしていてください。
PHOTO: 三浦真琴(maco)
TEXT:長澤智典
★インフォメーション★
ライブスケジュール
・3/19(土) 郡山 PEAK ACTION
・3/20(日) 仙台 space Zero
・3/21 (月祝) 下北沢ReG MIKIKO生誕祭
・4/1 (金) 新宿ClubSCIENCE
・4/16 (土) 渋谷GUILTY
・4/23 (土) 郡山PEAK ACTION
・4/24 (日) 仙台SPACE ZERO
・5/4 (水祝) 名古屋
・5/5 (木祝) 名古屋
SNS
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