武田信玄の父であり、甲府を開府した信虎の晩年を描いた映画『信虎』は、10月22日(金)より TOHO シネマズ甲府にて先行公開、そして11月12日(金)より TOHO シネマズ日本橋、TOHO シネマズ梅田他にて全国公開することが決定。
この映画は、京で足利将軍に仕えていた主人公の武田信虎が、国主に復帰するために祖国・甲斐を目指すところから始まります。そこに立ちはだかるのが、孫の勝頼とその寵臣たちです。信長との決戦にはやる勝頼の暴走を止めようと、信虎が次々と秘策を仕掛ける物語となっています。
信虎を演じるのは、ジブリ映画『天空の城ラピュタ』のムスカ大佐の声優として知られ、また数々の大河ドラマなどの時代劇作品に出演し、36 年ぶりの主演作となる名優・寺田 農。ヒロインに谷村美月を招き、信虎の娘で 15 歳のお直をあどけなく演じております。榎木孝明、永島敏行、渡辺裕之らベテラン俳優が重要人物として豪華出演し、また矢野聖人、荒井敦史、石垣佑磨の若手俳優も戦国乱世の激動の時代を生き抜く姿を巧みに演じております。
監督は、『デスノート』、平成『ガメラ』シリーズの金子修介。音楽には『影武者』など後期 黒澤 明作品や今村昌平の一連の作品に携わった巨匠の池辺晋一郎、武田家考証に武田氏研究の第一人者・平山 優を迎え、そして撮影に『恋人たち』('15)の上野彰吾、衣裳の宮本まさ江、特殊メイク スーパーバイザーの江川悦子、美術装飾の籠尾和人、VFX スーパーバイザーのオダイッセイなど、日本映画の最高峰の叡智を結集させております。時代劇作りにおいて、髷(まげ)・衣裳・甲冑・旗・馬・所作・音など戦国時代を忠実に再現することにこだわりぬいた本格時代劇映画です。それでありながら、滑稽味やファンタジー要素を盛り込んだ人間ドラマに仕上がっています。
そしていよいよ豪華キャストの真ん中で信虎役の寺田農が刀を掲げた力強い姿が印象的なポスターが解禁となりました!また、音楽・池辺晋一郎の荘厳な音楽が鳴り響く中で展開される、信虎の晩年の苦悩と挑戦を描いた予告編も解禁となりました。
合わせて主演・寺田 農、歴史学者・小和田哲男先生、歴史小説作家・伊東 潤先生よりコメントが到着しましたので、紹介します!
武田家の映画『影武者』より40年、『天と地と』より 30 年。武田信玄生誕 500 年の記念イヤーである 2021 年。本作は、『影武者』の織田信長役でデビューした隆 大介の最後の映画出演作品となりました。はからずも遺作となり、彼に捧げる作品となりました。
この秋、「虎」が目覚める!
<主演・寺田農コメント>
喜寿を迎えた一昨年、このお話を頂きました。舞台はわたしの大好きな戦国時代、まだまだ日本人が荒ぶる魂と誇りを持っていた時代でもあります。
所縁の寺々での撮影、国の重文指定の「信虎像」をはじめ、太刀、甲冑、茶器すべて本物の美術調度品がずっしりと重厚感をもたらし、親しい池辺晋一郎さんの荘厳な音楽が華を添えてくれます。「信虎・信玄・勝頼」三代が成し遂げ得なかった武田家全国制覇の夢を 500 年後の今、この作品のヒットで叶えたいものです。
<プロフィール>
寺田 農 TERADA Minori (武田信虎)
1942 年生まれ。東京都出身。1961 年、文学座附属演劇研究所に第 1 期生として入所。同年の『十日の菊』で初舞台を踏む。五所平之助監督『恐山の女』(1965)で映画デビューを飾り、日本テレビ『青春とはなんだ』(1965)『これが青春だ』(1967)に出演し注目を集める。岡本喜八監督『肉弾』(1968)で毎日映画コンクール男優主演賞を受賞。以降も多数の作品に出演し、中でも岡本喜八監督(『赤毛』1969、『座頭市と用心棒』1970 など)、実相寺昭雄監督(『無常』1970、『帝都物語』1988 など)、相米慎二監督(『セーラー服と機関銃』1981、『ラブホテル』1985 など)の常連俳優となる。ドラマ・映画のほか、ナレーター・声優としても活躍しており、特に宮崎駿監督『天空の城のラピュタ』(1986)のムスカ大佐役を務めたことで知られている。近年の出演作に、武正晴監督『嘘八百』(2018)、内藤瑛亮監督『ミスミソウ』(2018)、清水祟監督『犬鳴村』(2020)松村克弥監督『祈り —幻に長崎を想う刻(とき)—』(2021)などがある。
<歴史学者・小和田哲男先生コメント>
信虎目線でみごとに描ききった武田盛衰記
ふつう、武田信虎というと、悪逆無道の行為が行きすぎ、息子信玄によって駿河に追放されたみじめな武将といったイメージでとらえられている。しかも、身柄引き取り手だった今川義元が桶狭間で織田信長に討たれると、駿河にも居られず、上京し、高野山や西国を遍歴・流浪し、最後は、信濃高遠でひっそり生涯を閉じたとされている。甲斐から駿河へ追放された後は、その存在感は無きに等しい生涯だったというのが通説である。
ところが、今回の「信虎」はそうした通説を打破しようとする。その手がかりとなっているのが、永禄 6 年(1563)頃、信虎が京に上り、第 13 代将軍足利義輝の相伴衆(しょうばんしゅう)になっていることである。相伴衆というのは、将軍が諸大名を饗応するときに相伴を許される人のことで、それ相応の身分の出でないと務まらない。信虎は、戦国大名武田家の当主だった経歴をもっているわけで、将軍からも一目置かれる存在であった。
ただ、その後の信虎についてはほとんど史料がなく、信長の台頭にどう対処しようとしていたのかもわからない。どこまでが史実で、どこからがフィクションなのかがわからない演出はみごとというしかない。
いずれにせよ、信虎の目線で、戦国大名武田家の盛衰が一本の筋となり、信玄死後の勝頼の葛藤、家臣たちの動向など、戦国大名武田家の物語というだけでなく、戦国時代の人間模様をみごとに描ききった作品である。
<プロフィール>
戦国史研究家:小和田哲男 ~TETSUO Owada~
1944 年生まれ。戦国史研究の第一人者。静岡大学名誉教授。日本城郭協会理事長。武田氏研究会会長。『甲陽軍鑑』の再評価者の一人。
<作家・伊東 潤先生コメント>
最高の演技陣に美しいカメラワーク—令和の戦国映画はこれだ!
戦国時代最強を謳われた甲州武田軍団は、信玄没後も勝頼と信玄の遺臣たちを中心に鉄壁の強さを維持していた。天正二年(1574)、そこに一人の男が帰還する(厳密には信濃国までやってくる)。かつて息子の信玄に甲斐国を追放された元国主の信虎だ。信虎は齢八十一ながら、いまだ天下制覇の野心を秘めていた。
かくして武田家中にもたらされた一つの波紋は、人々の運命をも変えていく。
この小さな事件に目を止めたのは、制作陣の慧眼の成せる業だろう。武田家滅亡という一大事件を描いていくには、劇場用映画の上映時間はあまりに短い。そうなると誰かの視点に絞らねばならない。その点、追放後も駿河国から畿内周辺諸国を股にかけて不穏な動きを続けた信虎の視点から武田家滅亡という一大叙事詩を描いたのは正解だった。
甲斐国の統一、関東や信濃国への侵攻と特定地域の制圧という実績を挙げた信虎は、戦国時代の東国に波乱を起こした風雲児だった。しかし足元をすくわれるように、実の息子である信玄に追放される。それでも野心を捨てなかった信虎は、信玄が没したという噂を聞いて帰還する(本作では高遠城で信玄の死を知る)。
この信虎の帰還という小さな波紋が、武田家の人々の心に何らかの影響をもたらしていく。劇中では、それを妙見信仰による魔力というメタファーで表現しているが、武田家中に落とした信虎の影は次第に大きなものになっていった。
やがてそれは、跡部勝資や長坂釣閑斎といった勝頼の側近たちと山県昌景や春日虎綱といった信玄股肱の重臣たちとの間の亀裂となり、それが長篠の戦いでの惨敗、そして武田家滅亡へと結びついていくことを暗示している。
信虎とは何者だったのか。その帰還によって起こった波紋とはどのようなものだったのか、ぜひ映画を見て考えてほしい。
<プロフィール>
歴史小説作家:伊東 潤 ~JUN Ito~
1960 年生まれ。歴史小説作家。『武田家滅亡』(角川書店)でデビュー。『国を蹴った男』で第 34 回吉川英治
文学新人賞受賞。『峠越え』で第 20 回中山義秀文学賞受賞。直木賞候補5回。
<あらすじ>
武田信玄の父・信虎は甲斐追放後、駿河を経て京で足利将軍に仕えていた。元亀 4 年(1573)、信玄が信長包囲網を形成し上洛を開始。信虎は齢 80 になっていたが、信玄の危篤を聞き甲斐帰国を目指す。途中、美濃での激戦を乗り越えて信濃高遠城にたどり着く。ここで孫の勝頼と初対面し、寵臣や馬場・山県・内藤・春日らの家老たちと論戦を繰り広げる。これが『甲陽軍鑑』に描かれた名場面である。その後、信虎は上杉謙信・北条国王(氏直)らに後事を託して大往生を遂げる。天正 10 年(1582)、ついに武田家は織田信長の侵攻を受けるが、その時から信虎の秘策が次々と奇跡を起こす。信虎に翻弄された娘・お直や家臣たちの運命はいかに——。
<キャスト>
寺田 農/谷村美月・矢野聖人・荒井敦史/榎木孝明・永島敏行・渡辺裕之/隆 大介・石垣佑磨・杉浦太陽・葛山信吾
・嘉門タツオ/左伴彩佳(AKB48)・柏原収史
伊藤洋三郎・川野太郎・螢 雪次朗・安藤一夫・堀内正美・永倉大輔・井田國彦・橋本一郎・剛たつひと・西川可奈子
・鳥越壮真/北岡龍貴・外波山文明・水島涼太・大八木凱斗・井藤 瞬・森本のぶ・奥山眞佐子・小堀正博
<スタッフ>
監督:金子修介
共同監督・脚本:宮下玄覇
音楽:池辺晋一郎
製作総指揮・企画・プロデューサー:宮下玄覇
プロデューサー:西田宣善
協力プロデューサー:榎 望
撮影:上野彰吾
照明:赤津淳一 録音:原川慎平
美術・装飾:宮下玄覇・籠尾和人
VFXスーパーバイザー:オダイッセイ
衣裳:宮本まさ江
特殊メイク スーパーバイザー:江川悦子
編集:宮下玄覇・山本浩史
整音・ダビング:臼井 勝
音響効果:丹 雄二
武田家考証/字幕・ナレーション協力:平山 優
プロダクション統括:芳川 透
カラーグレーディング:広瀬亮一
スクリプター:奥井富美子
時代考証・キャスティング:宮下玄覇
演技事務:出射 均・早川喜貴・関根浩一
スチール:制野善彦
題字:森田彦七(『乱』揮毫・今井凌雪門下)
製作担当:丹羽邦夫・安達 守
助監督:村上秀晃 西山太郎
美術装飾担当 助監督:生駒 誠
製作:ミヤオビピクチャーズ
2021 年/日本/日本語/カラー/ビスタ/5.1/135 分/
配給:彩プロ PG-12 ©ミヤオビピクチャーズ
10月22日(金)より TOHO シネマズ甲府にて先行公開
11月12日(金)より TOHO シネマズ日本橋、TOHO シネマズ梅田他にて全国公開
<URL>https://nobutora.ayapro.ne.j
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